相続土地国庫帰属制度について

相続土地国庫帰属制度

近年の土地利用ニーズの低下によって、相続した土地の管理負担が増しており、土地を手放したいと思っている人が多くなってきています。
また、これらの土地の放置により将来的に土地の所有者が不明となって、管理不全化の恐れも出てきています。
そこで相続土地国庫帰属制度として相続(又は遺贈)により取得した土地を手放し、国庫に帰属することが可能になりました。
この制度のイメージとしては

①申請者(相続等の所有者)による承認申請する。(申請は法務局、審査手数料は14,000円/筆)

②法務局による要件審査、及び承認

③申請者が10年分の土地管理費相当分の負担金を納付

④土地が国庫帰属される。

上記のような手順となります。
まだこの制度は始まったばかりで、申請による承認は現在ほとんど審査中(審査の承認は8カ月以上?)でありますが、重要な要点を上げると

1.建物等が存在する土地について
建物が存在する土地は却下要件となります。
つまり、申請しても無条件で拒否されてしまいます。
これは、国の管理負担が考慮されているものと考えますが、それでも国庫に帰属を希望する場合は建物を取り壊して更地にする必要があります。
その他にも崖がある土地、工作物のある土地など管理が難しい土地については不承認となるとされています。

2.隣接する土地について
申請毎に審査手数料は14,000円/筆の負担がありますが、隣接する土地は1筆扱いとすることが可能です。
これにより審査手数料を減額することが可能です。

3.負担金について
土地が承認された場合、30日以内に負担金を支払うことで国庫への帰属となります。
支払われなかった場合には承認取り消しとなり、審査手数料は無駄になってしまいます。
で、その負担金ですが
①宅地の場合
面積にかかわらず20万円(市街地については面積により負担金アップ)
②田、畑の場合
面積にかかわらず20万円(市街地、農用地区域等については面積により負担金アップ)
③森林
面積に応じ算定
④その他(雑種地、原野等)
面積にかかわらず20万円

概要を紹介しましたが、1筆毎の負担金がネックになると思います。
ただ、相続された土地についても、今後はより適正な管理が求められており、国、地方公共団体からの厳しい処分も増えてくる可能性があります。
法務局による10年分管理料と算定される負担金を支払うことにより、今後、何十年も管理不要となるメリットを申請者で考えることになります。

この制度の手続きについては申請は法務局となりますが、行政書士に依頼できることが国に認められました。
当事務所では、この制度のご相談から法務局への代理申請まで申請者の方のご希望に応えていきたいと思いますのでお問い合わせください。